農業に関する
用語集
育苗(いくびょう)
作物のタネ(種子)を播いたり挿し木(さしき)などをして苗を育てること。は種(はしゅ)から定植する前まで苗を育てることを育苗、その期間を育苗期間という。
移植(いしょく)
発芽(はつが)した苗をほ場(田や畑)へ定植(植え付ける)するまでに、一時的に他の場所(ポットなど)に植えること。
畝(うね)
ほ場において、作物を定植するために他よりも土を盛って高くした所。畝を作ることを「畝立て」といい、水はけを良くし、通路と分けることにより管理しやすくする目的で行う。
畝間(うねま)
畝と畝の間隔のこと。畝と畝の間のことを指す場合もある。畝幅(うねはば)は土を高く盛った畝の上面の幅のことをいう。
株間(かぶま)
定植する作物と作物の間隔のこと。
株間(かぶま)
定植する作物と作物の間隔のこと。
灌水・かん水(かんすい)
作物の生育を良くするために水をかけること。普通は作物の株元にかん水するが、畝の間に水を流す畝間かん水を行うこともある。
切り前(きりまえ)
切花栽培の場合、収穫(採花:さいか)する時の花の開き具合のこと。一般的に高温時は固め(花の開き具合が小さい状態)に、低温時は開き気味の状態を切り前(きりまえ)とする。
切り戻し(きりもどし)
ナスでは整枝方法の範囲に含めるのが一般的であるが、ナスの果実を収穫後、収穫した枝の付け根の葉1枚を残して切り落とすこと。
均平(きんぺい)
ほ場の土壌表面を平ら(水平)にすること。
畦畔(けいはん)
田、畑で作物を栽培しない周囲の通路部分のこと。「あぜ」とも言う。
耕起(こうき)
田や畑を起こす(耕す)こと。
挿し木(さしき)
キクなど栄養繁殖(タネを播いて苗を作ることを種子繁殖といい、芽・茎・芋など植物の一部から苗を作ることを栄養繁殖という)で苗を作る方法の一つ。代表的な例としてキクの先端部5cm程度の柔らかい芽を切り、育苗用土へ挿して、遮光(しゃこう)などして光線量を減らし、適度な温度と湿度(ミストで噴霧等)を与えて発根させること。
挿し穂(さしほ)
挿し木に用いる茎の先端部(キクでは5cm程度)のこと。挿し芽ともいう。
仕立て方(したてかた)
その作物を最も良い状態で栽培するため、枝やツルの数、位置取りなどを決めること。例えば、ナスでは主枝の数を3本にしたり4本にすることを3本仕立て、4本仕立てという。
遮光(しゃこう)
日光(光線)を完全に遮ったり一部を遮ったりして、作物に当たる量を減らすこと。挿し木や鉢上げのとき、日焼けを防止するときなどに遮光ネット、寒冷紗などで作物を覆う。
代掻き(しろかき)
田に水を入れて掻き回し、土を水と交わらせて柔らかくぬかるんだ状態にすること。田植えをする前に行う作業。
整枝(せいし)
品質の良いものをたくさん連続して収穫するために、日当たりや風通しを良くするよう余分なツルや枝・芽を取り除き草姿(そうし)・樹形を整えること。整枝することにより作業性も良くなる。
セル苗(せるなえ)
プラスチック製の育苗用セルトレイ容器を使って育てた苗のこと。簡単に取り出すことができ、植え傷みも少ない。
剪定(せんてい)
作物(主に果樹)において品質の良い果実を毎年安定して収穫するために、必要な枝を残し不用な枝を切り落とすこと。また、樹の形を整えるために幹や枝を切り落とすことも剪定の範囲である。
短日植物(たんじつしょくぶつ)
昼間の時間が夜の時間より短くなるにつれて(夏から秋に、秋から冬になるにつれて)花芽ができて、開花・結実する性質を持った植物のこと。例:キク、イネ、エダマメなど
抽だい(ちゅうだい)
「とうだち」ともいう。ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科野菜は一定の低温を経た後、成長点が花芽をつくり、やがて開花する現象のこと。採種(タネを採ること)を目的とした場合を除き、抽だいが始まると商品価値がなくなる。
頂芽優勢(ちょうがゆうせい)
頂芽(先端の芽)が盛んに発育して伸び続ける場合に、側芽(主枝の葉の付け根から横に出る芽。枝のわきに着く芽)の発育が著しく抑制される現象のこと。剪定や摘心など草姿や樹形を整える目的で、頂芽を除去して側芽の発育を促すのはこの性質を利用したもの。
中耕(ちゅうこう)
作物と作物の間(畝間)を耕すこと。空気を根に送ることにより生育促進効果や除草の効果もある。
長日植物(ちょうじつしょくぶつ)
昼間の時間が夜の時間より長くなるにつれて(冬から春に、春から夏になるにつれて)花芽ができて、開花・結実する性質を持った植物のこと。例:カーネーション、キャベツ、ホウレンソウ、ダイコン、コムギなど
調製(ちょうせい)
収穫した農作物を出荷するため、不要な葉などを取り除き、出荷先ごとに決められた規格(大きさ、重さ、形、品質など)に揃えて、出荷容器などに入れて、出荷できる状態にすること。
接ぎ木(つぎき)
連作障害や病害に強くし収穫量を増やすため、病気への抵抗性を持ち根がしっかり張り養分の吸収力が強い性質を持つ台木に、目的とする植物(穂木)を接合すること。例:つる割れ病に弱いスイカの栽培のため、ユウガオ・カボチャ・トウガンを台木にして、穂木のスイカを接ぐ。
蔓ぼけ(つるぼけ)
葉茎が必要以上に繁茂して、収穫対象である根や果実がよくできない現象のこと。サツマイモ、キュウリ、スイカなどつる性作物によくみられることからこの名がある。つるぼけを起こす要因として窒素過多(窒素肥料が多すぎる)や日照不足がある。
定植(ていしょく)
収穫するほ場(田や畑)へ苗や株を植え付けること。
摘心(てきしん)
成長点(作物の茎の先端部分)を摘んで切り取ること。ピンチともいう。先へ伸びるのを止めたり、側枝(主枝の葉の付け根から横に出る芽。枝のわきに着く芽)を出させるために行う。
2条植え(にじょううえ)
畝に何列(何条)植えるかを表したもの。例えば、2条植えは2列に、3条植えは3列に植えることを、千鳥植えは2列に交互(互い違い)に植えることをいう。
日長反応(にっちょうはんのう)
昼間の時間(夜の時間)の長さが植物の成長に影響を与えること。
根づまり(ねづまり)
ポットやセルトレイで育苗中に、根が容器の中にたくさん生えて伸び、ぎっしり根が「巻いた」状態になること。この状態が続くと下葉が黄色くなったり生育が悪くなり、老化苗になる。
法面(のりめん)
田、畑、道路などの土手のこと。「のり」ともいう。
培土(ばいど)
作物と作物の間の土を作物の株元に寄せること。土寄せともいう。 中耕と培土を同時に行うことを中耕培土という。
葉欠き(はかき)
不要になった葉、病害虫におかされた葉などを取り除くこと。除葉(じょよう)、摘葉(てきよう)ともいう。品質向上や作業性の向上などを目的とする。
は種(はしゅ)
タネ(種子:しゅし)を播くこと。播きかたには点播(てんぱ)、条播(じょうは、すじまき)、ばら播きなどがある。
鉢上げ(はちあげ)
小さな苗を大きめのビニルポットや植木鉢に植えかえること。根が伸びる範囲を広げ健全に大きく育てる目的で行う。鉢上げした苗はその後ほ場に定植される。花きでは鉢上げされた状態で製品となることもある。
発芽(はつが)
タネが芽を出すこと。発芽には空気、水分、温度が必要で光は必要条件ではない。
発根促進剤(はっこんそくしんざい)
植物の成長を促すため植物自身が体内で分泌する植物ホルモンとしてオーキシンが知られているが、人工的に発根を促す人工的なホルモン(インドール酢酸)を含む植物成長調節剤のこと。
発根苗(はっこんなえ)
挿し木をして、根が出た苗のこと。キクでは挿し木をして1週間から10日程度で発根する。
発蕾(はつらい)
蕾(つぼみ)を肉眼で確認できるようになった状態のこと。
花芽分化(はなめぶんか・かがぶんか)
一般に植物はある程度まで生長すると、茎や葉など「自分を支えるための体」をつくる「栄養生長」から、花をつけタネをつくり「子孫を残す」ための「生殖生長」に転換する。成長点の分化が葉から花に切り替わることを「花芽分化」と呼ぶ。花芽分化には植物体内のホルモンが関係しているとされるが、ホルモン形成を左右するのは日長や温度といわれている。例:秋ギクは日長が短くなる短日条件で花芽分化が始まる。茎の長いキクを栽培するため、夜間も電照して(長日にして)花芽分化を遅らせる技術などはこの性質を利用した栽培法で、日長を操作することで開花時期を調節している。
花持ち(はなもち)
切り花、鉢花の花を萎れないよう保つこと。切り花の花持ちを良くするには頻繁に水を清潔なものに交換したり、切り口の切り戻しを行い茎が水を吸い上げやすくする必要がある。0~3℃の冷蔵庫で保存したり、「切り花保存剤」の利用も有効である。
分げつ(ぶんげつ)
1本の作物が何本もに分かれて増えること。例えば、1本の稲が5本に増えることを「5本に分げつする」とか「分げつ本数5本」という。
間引(まびき)
作物に適当な空間を与え生育を揃えるために、幼苗期に、密生した株を一部抜き取り、残った株が適正な間隔を保つようにすること。
マルチ(まるち)/マルチング(まるちんぐ)
畝や作物の株元をポリエチレンフィルムや稲ワラなどで覆うこと。マルチの目的は①雑草防止②地温の上昇による生育促進③肥料の節約(雨による肥料の流亡防止)④水の節約(水分の蒸散防止)⑤病害虫対策(土壌の跳ね返り防止)⑥作物の汚れ防止などがある。、種類は着色や材質により黒マルチ、透明マルチ、シルバーマルチなどがある。
水揚げ(みずあげ)
切り花を萎れずに長持ちさせるため、切り口を深さ10cm程度の水につけ、茎から水を吸い上げさせること。
明渠(めいきょ)
排水用の溝・水路のことで目に見える状態のものをいう。土壌中に埋め込んだ排水溝など目に見えない状態のものを暗渠(あんきょ)という。
芽欠(めかき)
主枝などから出る不要な側枝(わき芽)などを取り除くこと。わき芽取りともいう。栄養分を主枝に集中させ増収、品質向上、作業性の向上などを目的とする。
物日(ものび)
春と秋のお彼岸、お盆、正月は切り花の需要が特に多く、このような需要が高い日・時期を「物日」と呼ぶ。この時期は価格が高いことから物日に出荷・販売することを狙って栽培計画を立てることも多い。
誘引(ゆういん)
作物のツルや枝を支柱や栽培棚などにヒモなどで結んで固定すること。主に草姿(そうし)や樹形を整え、品質の良い収穫物を得るために行う。また、作業性を向上させるねらいもある。
輪作(りんさく)
同一ほ場に連続して(年間で連続することを含む)同じ作物(同じ科の作物を含む)を作付けしないよう、作付時期や品目など組み合わせを変えて栽培すること。連作(同じ作物を続けて栽培すること)により発生しやすい土壌伝染性病害を少なくできることから連作障害対策として有効である。
早生(わせ)/中生(なかて)/晩生(おくて)
同じ作物でも品種によって収穫できる時期が異なる。収穫できる時期が早いものから順番に早生、中生、晩生と呼ぶ。収穫期間を長く確保するには早生・中生・晩生の品種を組み合わせることが有効となる。
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